解答 |
1)営業活動によるキャッシュフロー:-46百万円
2)投資活動によるキャッシュフロー:-76百万円
3)財務活動によるキャッシュフロー:126百万円
4)キャッシュフローの状況:売上債権と棚卸資産が増加していることが原因で、営業活動によるCFがマイナスとなった悪い状況である。設備投資による支出も大きいため、短期・長期の借入金を増やして賄っている状況にある。
キャッシュフローの計算は、最近の事例IVでは定番となっています。平成14年には、間接法での項目と金額を記入するという問題が出ていますが、その後は、計算の答えとキャッシュフローの状況を記述するという問題になっています。
キャッシュフローの計算は絶対落とさないようにいろいろな形の問題を解いておいてください。
間接法での解答として項目と金額を以下に示します。
1)営業活動によるキャッシュフロー
税引前当期純利益 |
3 |
減価償却費 |
24 |
営業外収益 |
-5 |
営業外費用 |
14 |
売上債権の増減額 |
-36 |
棚卸資産の増減額 |
-50 |
仕入債務の増減額 |
13 |
(小計) |
-37 |
営業外損益 |
-9 |
法人税等 |
0 |
(合計) |
-46 |
*今回法人税等が「0」ですが、この法人税を忘れないように
気をつけましょう。
2)投資活動によるキャッシュフロー
投資等の増減額 |
-2 |
有形固定資産の増減額 |
-74 |
(合計) |
-76 |
*有形固定資産の増減額(増額)
期末(90)-{期首(40)-減価償却費(24)}とな
ります。大丈夫ですね。
3)財務活動によるキャッシュフロー
短期借入金の増減額 |
56 |
長期借入金の増減額 |
70 |
(合計) |
126 |
資産側の増額は(-)、負債側の増額は(+)ですよね。
とにかく、キャッシュフローの計算が出たら落ち着きましょう。
確実に点数が稼げますので、ここでのミスは正直痛いです。
検算も大丈夫ですね。
3つのCFの合計は、B/Sの現金・預金の増減と同じになります。つまり、時間がないときには、面倒な営業CFを計算せず、投資CFと財務CFだけを計算すればOKとなります。
両方で計算して合えば安心できますね。
私が平成18年度の初めての2次試験で不合格になった原因の一つはこのキャッシュフローの計算でした。
結構難しい問題を完璧に練習したつもりだったのが、あまりに簡単な数字と項目で出たため怒りがわき起こりました。その結果、なんと、表の下に記述してあった注意書きを間違って読んでしまい、単純な解答ミスをしてしまったのです。
皆さんが、こんな単純なミスをしないようにいろいろな形の問題に取り組んでみることをお勧めします。
財務会計の事例に出る計算問題は、必ず、電卓を叩き、解答用紙に確実に書いて練習してください。
単位を間違ったという反省がものすごく多いのです。いやらしいことに、一つの問題の中で、単位を変えて出された過去問もあります。少なくとも、過去問はすべてやってみてください。(できれば、平成13年から平成19年まで)
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