ビジネス・スクリーン」講義録

ビジネス・スクリーンはPPMの問題点を解決するという視点で開発されました。

しかし、現実には、未だにPPMが中心ですので、参考程度に見ていただければと思います。

特に、PPMの問題を意識するためにも役立ちます。

【基礎知識】
ゼネラル・エレクトリック社とコンサルタントのマッキンゼー社で開発しました。

基本的な考え方は、長期的な収益性を見るために、「事業の魅力度」軸と「事業地位(事業強度)」軸で、それぞれ3段階に評価していくものです。

単純に見れば、PPMが市場成長率と相対的市場シェアだけで4象限に切り分けているのに対し、軸に選択肢を持たせ、かつ、9象限に分けることでより精密に検討することを狙ったものと言えるでしょう。

しかし、逆に、軸に何の評価を持ってくるかを検討することが重要になり、かつ、恣意的になりやすいことから比較も難しいと言われます。参考程度で見ておくことにしましょう。

下図はその全体像の例です。

ビジネス・スクリーンの例

事業の魅力度:(例)競争構造、市場の規模・成長性、事業の収益性、など

事業地位(事業強度):(例)管理者能力、市場における地位、相対的収益率、など

【ポイント】
さて、軸の評価の仕方はわかりますでしょうか。

PPMの割り切りが単純すぎるという問題を解決するために、ある程度、企業で評価指標を選択し、複合的に見ていこうとしたものであると言えるでしょう。

PPMの問題点を解決したといわれますが、より主観的になり、評価軸が企業に任されるため、気軽に使うわけにはいかなくなってしまったことがそれほど普及していない原因だと思います。

上図でわかるように、「1」に位置づけられた事業に優先的に投資をし、「2」は見極めによる選択的投資、「3」は利益回収・撤退などの評価を行うとします。

PPMと同様に事業(製品・サービス)を評価・配置して検討することになります。

以下にサンプル図を載せてみました。円の大きさは売り上げの大きさです。

ビジネス・スクリーンの利用例

たとえば、上図の企業はどう検討するでしょうか。

この場合、「A」や「C」は選択的に投資することになりますが、現在の売り上げの中心的なものですので、事業地位で選択した評価項目についてより高めること(事業地位を「高」へ移動させる)に注力する、などの検討を行います。

「F」は厳しい選択をすることになるかもしれません。

*一般的に、PPMが現在の事業評価であり、ビジネス・スクリーンは現在と将来の両面から分析できると言われています。たぶんコンサルを入れた検討が必要となるでしょう。

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