居酒屋で経営知識
116.ビジネスプランサンプル
【主な登場人物】 ジン(北野):主人公 サラリーマンの傍ら経営コンサルタントをしている 黒沢:居酒屋みやびの大将 酒と和食へのこだわりが強み 由美:居酒屋みやびの元看板娘 黒沢の姪 雄二(鳶野):ジンの幼なじみ ジンの応援で起業した 大森:みやびの常連 地元商店街の役員 近藤:みやびの常連 建設会社顧問 亜海:居酒屋みやびの新しいアルバイト 原島:ジンの高校の大先輩。新社長としてジンにアドバイスを求めている。 新田:大森さんの紹介で知的資産経営を指導している。行政書士
「へい、いらっしゃい。ジンさん、まだまだ外は寒そうですね。今日も熱燗にしますか?」
「お願いします。今年は例年より寒いですよね」
「そうみたいですよ。どこだかの梅まつりが一週間延期になったって言ってました」
「やっぱりそうなんですね。外回りには辛いですよ」
「熱燗を待つ間におでんをどうぞ。大根がいい味出てますよ」
「ありがたい!うわー、うまい!」
「ちくわぶとジャガイモも食べてみますか」
みやびのサービスはその日に合わせて考えられているので、それだけで常連になる価値があると思う。
「亜海ちゃん、どうしたの。真面目な顔して何読んでるの?」
「由美先輩に頼んで、この間作ったって言う会社のビジネスプランの簡易版をもらったの。難しいところもあるけど、面白いなあって」
「へえー。亜海ちゃんにも興味があるんだ。何か質問ある?」
「そうねえ。ビジネスプランって新しく会社を作るときに必要なものなんでしょ?由美先輩の場合は、会社を作る訳ではないのに、なぜビジネスプランなのかしら」
「ビジネスプランというのは、事業を具体化するための方法で、事業の縮図とか表現方法などとも言われるんだ。その対象としては、新しく起業するときに、銀行とか投資家にお金を出してもらうために使うことが多いみたいだね。ただし、同じように、会社の中で、新しい事業をやりたいと言う時も必要な内容になるということなんだ。今回の例がそうだね。それ以外にも、取引先に自分達の事業を説明するための資料とすることもあるよ」
「そうなんだ。じゃあ、これからやることを説明するだけじゃなく、実際にやっていることを説明するためにも使えると言うことなのね」
「ビジネスプランの目次を見てごらん。大まかな内容がわかると思うんだ」
一つの例ではあるが、この場合、以下の内容になっている。
1.事業名
2.事業区分
3.概況・事業計画の概要
4.資金調達希望
5.事業コンセプトと商品・サービス等の内容
6.販売ターゲット(顧客)
7.市場環境
8.販売計画
9.事業全体の仕組み
10.人員・組織計画
11.事業実施上の問題点・課題
12.現在の事業進捗状況と今後の事業展開の予定
13.売上・利益計画
14.資金計画
「すごいわね。やっぱり事業をするって簡単じゃないのね」
「まあ、あくまで計画ではあるけど、みんなリスクを持っているから、できる限りの実現性の調査はしないと進まないからね」
「いろいろ書いてあるけど、売上・利益計画ってやってる事業なら出るけど、これからの事業ではどうやって計算するのかしら」
「そこが問題だよね。ある程度の調査を元に、例えば、購入単価と購買数の推移を想定し、人員や設備投資などを計画に沿って決めることになる。つまり、あくまで仮定ということなんだ。確実な未来なんてないから、そこは常にリスクを伴うわけで、最初からあまり大きな投資を前提にすると危うい計画となってしまうね」
「あ、ジンさん、ごめんなさーい。熱燗が冷めちゃうわ」
「サンキュ。・・・・・うまいなあ」
(続く)
《1Point》
・今回、ベースにしたものは、数年前開催したビジネスプランコンペティションに出したものです。
予告したようにサンプルとしてPDFファイルにリンクを貼ってみましたので、興味がある方は眺めてみてください。(Skydriveの共有ファイルにしました)
リンクをクリックで表示出来ると思いますが、もし不具合ありましたら連絡をいただければ違う形で公開するか、自分のHPスペースでの公開を検討します。
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