12.マッカーシーの4P

(前回まで:新しい事業を興そうとする雄二にアドバイスを行ってます。市場をある程度小さなセグメントにして、事業のターゲットを絞り込みました。次に、ターゲットからモデルの人物像を具体的に5W1Hを使って作り上げることができたんでしたね。)

社内で担当している内部統制の業務フローを見直すこととなり、バタバタと3日が過ぎた。

今年は、財務報告に関する内部統制の本番の年となり、ギクシャクとした見直しが続いている。本当の意味での内部統制になっているのかどうか、非常に怪しいと思っているのは俺だけではないだろう。

そんな中、雄二からメールが入っていた。

『ビジネスモデル仮説と言うやつを考えようと思うんだが、何か手がかりはないのか?とりあえず、思いつくまま箇条書きにしてみている。・・・雄二』

下に、業務フローに近い形で、まとめられていた。少し、整理すればうまくいきそうな気がする。

こんな場合、どんな切り口でまとめていけば良かったのか、診断士の研究会で手伝ったベンチャー企業の指導を思い返してみた。

あの時、30年近くコンサルタントをしているベテランの先生が使っていたフォーマットを流用した。ただ、その肝は、単純化にあると感じたのを思い出した。

『雄二へ
業務フローはなかなかスムーズな感じがする。ポイントを切り分けてみるので、これに合わせて、どう行っていくのかを再度考えてみてくれ。これが、後で検証する仮説項目になる。

1.Product(製品・サービス戦略):ターゲットにとって提供される商品・サービスの具体的な中身は何か。十分魅力的か。ニーズを満たしているか。

2.Price(価格戦略):どのくらいの価格で提供するのか。ターゲットにとって高すぎないか。逆に安すぎないか。

3.Promotion(プロモーション戦略):どのようなプロモーションを行うのか。ターゲットに対して効果的に伝わるか。

4.Place(流通戦略):流通に問題はないか。事故に対応できるか。ターゲットが求めるタイミングで提供できるか。

と言う視点で、自分がやろうとしている事業を整理してみてくれ。この切り口をマーケティングの4Pというんだ。』

たぶん、質問が来るだろうと予想できるが、本業が忙しいため、とりあえず、小出しにするしかない。 心の中で、スマンと頭を下げながら送信した。

30分もしないうちに返信があった。

『提供するサービスには自信があるし、価格も大体妥当な線は考えている。流通はまさしく今回の見直しで考えたのだが、プロモーションというやつが具体的にわからない。教えてくれ。雄二』

相変わらず、ぶっきらぼうなやつだ。

『プロモーションというのは、一般的に、広告・宣伝、パブリシティ、販売促進、人的販売、口コミなどを言う。今回抽出したターゲットに対して、どんな手段を取れば、認知度が上がるのか、継続して使ってくれるのかを考えるんだ。仁』

即返信。

『回答がぶっきらぼうだな。もっとわかり易く教えてくれ・・』

って、どっちがだ。

『・・・パブリシティとは?人的販売ってなんだ?口コミなんか、コントロールできないだろうに。雄二』

『パブリシティというのは、広告と違って、無料でマスコミに取り上げてもらうことを言う。良く、新聞などに新製品発表の記事が載ったりするだろう。マスコミが取り上げるため、自社で広告を打つより信頼度が高いと言える。ただ、必ずしも取り上げてもらえるとは限らないんだけどね。

人的販売とは、まさしく、人がその知識やノウハウを使って販売することを言うんだ。今回の雄二のアイディアに使えるかどうかわからないが。

口コミは確かにコントロールできない。ただ、ユーザーの交流の場を作ったり、サポートレベルを上げるとか、地道な努力である程度はいい方に持って行けるし、現在、一番強力なプロモーションかもしれない。仁』

送信。

マーケティング・ミックスとも呼ばれる4Pは、よく使われているものなので、シンプルに切り分けることができる。

これらの切り分けでは、自社に向けた視線で見ていくことになるが、競合という視線も必要になる。

これらは、検証の段階で詳細に見ていくことになるが、競合がはっきりしている場合、この4Pを競合会社にも当てはめて、並べて見ることで、自社の戦略が見えやすくなるはずだ。

ただ今回は、自分のビジネスプランを練り直すことも考え、まずは、自社分析に絞ることにしたのだ。

次は、実際に環境分析を行いながら、仮説の検証をする段階に入っていくことになるはずだ。

(続く)

《1Point》
・「4P」
・Product(製品・サービス戦略)
・Price(価格戦略)
・Promotion(プロモーション戦略)
・Place(流通戦略・チャネル戦略)

マーケティングでの有名なフレームワーク。
マーケティング戦略を構成する代表的な要素であることから、マーケティング・ミックスと呼ばれる。また、提唱した学者の名前から「マッカーシーの4P」とも呼ばれる。

現在の状況:

『ビジネスモデル仮説策定』:シミュレーションを繰り返しながら、ビジネスとして成立すると思われるビジネスモデル(実際の業務フロー)を作ってみます ←この段階へ向けて整理していま
す。

『ビジネスモデル仮説の検証』:環境分析を行って検証していきます。

(Next Step)